コンタクトの遠近両用市場は宝の山?
まず、コンタクトにも遠近両用はあります!
結構知らない人もいるので改めて覚えておきましょう。
アメリカなどでは既に20%以上のシェアをとっていますが、日本国内ではわずか5%未満・・・
圧倒的に普及していないんですよ。
逆にいうと、これから普及する余地がたくさんある。という事なんですけどね。
だから企業側からすると宝の山・・・のはずなんですが・・・大苦戦しております。
実はコンタクトレンズメーカーは海外法人が多いので多分アメリカ本社と日本支社ではこんなやりとりが・・・
マイケル:オー、ワタナベサン、ナンデ、ニホンデハ、エンキンレンズ、ウレナイノ?
渡辺:いやー色々頑張ってるんですけどね・・・もう少し待ってくれますか?
マイケル:オー、ワタナベサンハ、イツモオナジネ!モウキキアキタヨ!ツギハシャチョウオリテモラウカラネ!
という感じなんです。多分。
因みに日本法人の社長は大体英語ペラペラですし、必ずしも日本人が社長になる訳ではありません。向こうから送られてくる場合もありますね。
さて、何故日本では遠近両用コンタクトが売れないのでしょう。
これは結構根深い問題があるんです。
医療体制の違い
まず、アメリカと日本では医療体制が異なります。アメリカにはオプトメトリストと云う国家資格を持ったメガネ処方・コンタクトレンズ処方のスペシャリストが居て、その人が処方するんです。
だけど日本ではそんな資格制度はありません。極端に云うとアルバイトのスタッフがメガネ検査したりコンタクト検査したりしています。
そんな状況で高度な遠近両用レンズの処方など出せるわけがありません。
次に、国民性。
日本人は何事にもキッチリ見たいと云う欲求があります。特に右目、左目、同じように見えないと嫌だ。と云う方が多い。
一方アメリカではその辺りは大雑把です(ちょっと表現が極端かもしれませんが)両眼で見て、見えていれば良いじゃ無いか。と云う感じなんです。
実はコンタクトの遠近両用はわざと左右差をつけて処方する方法が有効なんです。モノビジョン処方というのですが、これをそのまま日本で行うと、「左目が見えにくいのが気になる」とか「何かバランスが変」とかと云うクレームになります。
何故左右差をつけるかと云うと、利き目で遠くを見て、反対の目で近くを見るためなんです。
そうすると遠くも見えて、近くも見やすい。となるんですね。
このモノビジョン処方は遠近両用コンタクトの場合、どうしても必要となるケースが多いんです。そうしないと見え方の満足度が下がっちゃう。
次に、そもそも眼科医が勧めない
今はそうでも無くなって来つつありますけど、つい数年前は「手元見難かったら老眼鏡だね」なんて、簡単に言っちゃう。
確かにそうなんですけど、患者さんはメガネが嫌だからコンタクトにしているのに・・・そんな事言われたら身も蓋もない・・・と云う感じ。
次に、検査スタッフが未熟
潜在的なユーザーはかなりいるはずなのに上手く検査出来なかったりで結局コンタクトの上から老眼鏡使うか、遠くの度数を弱めちゃうか、もういっその事コンタクト止めてメガネにしちゃうか・・・
確かに遠近両用コンタクトの検査は難しいんですけどね・・・
以上のような事があって、日本では普及率が5%未満。これが10%になるだけでも凄いと思うんですけど、いつになるのかな?