乾燥感について
コンタクトレンズユーザーにとって最も多い悩み、それが・・・乾き!です。
オフィスやショップ内など空調が効いている場所は特に乾きますね。
そんなとき皆さんはどうしてますか?
- 瞬きを何回もする
- 目薬を点眼
- あくびをする(涙を出す)
- レンズを取り替える(ワンデーの場合)
- レンズ種類を変更する
多分、この順番だと思いますが、5番の「レンズ種類を変更」であっさり解決する例も少なくありません。
「でもさ、どのレンズも乾きにくい!とか乾燥に強い!とか言ってんじゃん」と思いますよね。
そうなんです。わざわざ「このレンズは乾きますよ」とはメーカーは絶対言いません(笑)
ただ、あながち間違いでも無いんです。それはコンタクトレンズには相性があるからです。
これからご紹介する「最も乾きにくい」に分類されるレンズでも乾く場合はありますし、一般的に「乾燥に対しては弱い」に分類されるレンズでも全く乾かない人もたくさん居ます。
そこがコンタクトレンズの難しいところ。なんですよ。
最も乾きにくいレンズ種類
ハードコンタクト>1日使い捨てタイプ>頻回交換タイプ の順番ですよ。だからハードコンタクトを使っている人がわざわざ使い捨てタイプにする必要はありません。
最も乾きにくい1日使い捨てレンズ
No,1 ディリーズトータルワン

マスターの1番のお勧めはこのディリーズトータルワンですね。
今までどのレンズ試しても乾くとか、装用感が良くないとか、長時間は無理とか・・・そんな方はこのレンズにする事で大幅に改善するはずです。最後の砦。と云っても過言ではありません!(ほんとか?)
酸素透過性も必要充分ですし、表面がスベスベして滑らかなので装用感も良いです。例えば普段カラコン系を使っている方がこのレンズにするとみんな驚きます。それ位違うんですよ。
欠点
表面がスベスベしている分、ちょっとだけ扱いにくいですね。主にレンズを目から外す時になかなかつかめないんです。だから外しにくい。
でも・・・でもですね!実はこれ、そもそも外し方が正しく無いんです。マスターの経験上90%以上の方が間違っています!
なんだと〜 と思いますよね。無理もありません・・・ではここで解説しましょう。
90%以上の方はレンズに触れたらそのまま摘んで外そうとしますが、本当は触れたらそのまま下にズラし軽く押しながら(目の奥の方へ)つまむんです。そうすると簡単に外せます。
この方法はソフト系全てに言えます。ズラすんです。とにかく。もし下にズラすのが怖ければ指がレンズに触れたまま・・・・目だけ上を見ます。そうするとズレた事になります。
その他色々方法はあるんですけど、ここで言うほど簡単ではありません。皆さん今までの経験があるから。
中には「こんな外しにくいレンズ、欠陥品じゃ無いか!」と怒る人もいます。
そこは丁寧に説明します。従来のレンズは表面のツルツル感が少ないですね、その分指には引っ掛かりやすいんです。だから外しやすいんですよ。逆に言うとそれだけ摩擦力が高いと言う事なんです。それは目に対しても「装用感」と言う面で影響が出ますし、出来るだけ表面をツルツルにして摩擦力を少なくする事により目に安全なレンズに近づくんです。結局それだけ性能が良い。と言う事なんですよ。
勿論、従来のレンズで問題がなければ変更する必要はありませんね。でもあらゆる面で性能が向上しているレンズにするのなら正しい外し方で外す必要があります。それにこれが元々本当の外し方なんですよ。一番最初にレンズの外し方を眼科で練習したときはズラしてね〜と教わったはずなんですけどね。
No,2 マイデー

このレンズはトータルワンとライバル関係にあります。トータルワンはアルコンと云う会社。このマイデーはクーパービジョンと云う会社です。この2社、一般的に知名度は高く無いですよね(失礼)でも世界三大メーカーの内2位3位なんです。1位はジョンソン&ジョンソン。これは誰でも知ってますね。この三社に次いでボシュロムとかが入ります。
さて、マイデーの特徴は「薄さ」です。トータルワンは厚みが 0.09mm マイデーは 0.08mm
いやいや 0.01mmしか違わないじゃん!と思いますよね。ところが目の角膜は体の中で最も敏感な場所。この0.01mmの違いが装用感に微妙に影響するんです。
乾きにくさに関しては若干ですがトータルワン に軍配が上がります。これはもう合う合わないの問題ですね。ちなみにマイデーは乱視用も発売されているので乱視がある場合はマイデー一択となりますね。
No,3 アクアロックス ワンデー

これはボシュロムから発売されているレンズです。トータルワンやマイデーと異なる点は2週間交換タイプが先に発売され、次にワンデータイプが発売された事。後発のせいなのか性能は良いのに何故か販売実績は苦戦している事ですね。
マイデーの時もレンズの厚みについて書きましたが、実はこのアクアロックス ワンデーがこの中では最も薄い 0.07mmです。
それと酸素透過性は最も高い数値を実現しています。
但し、実のところ酸素透過性に関しては数値だけでは測れない部分が多いのです。それにある程度の酸素透過性があれば必要充分とされていますし、実際には目が潤っている事が最も重要。例えば酸素透過性が良くても乾きやすいレンズの場合は総合的に判断した場合・・・ダメなわけなんです。
まあ決してこのレンズがそうだ。と云う訳ではなく、酸素透過性と云う数値だけで判断してはいけない。と云う事が言いたい訳です。
これは厚みについても同様です。薄ければ良いとか厚いと悪いとか・・・単純な問題では無いんです。
ただその他の性能が似通っていた場合に比較対象となるんですよね。
最も乾きにくい2週間交換タイプレンズ
No,1 バイオフィニティ

この辺りは微妙な差ですけどね。比較対象はアクアロックス(ボシュロム)
バイオフィニティはクーパービジョン社の製品。装用感も良いし、汚れにくいし、乾きにくい。非常にバランスが取れたレンズですね。酸素透過性も充分なので基本的には16時間位装用しても大丈夫。
No,2 アクアロックス

場合によってはアクアロックス の方が良い場合もあります。・・・相性なんですけどね。まあ両方とも高水準のレンズなので安心してください。
No,3 オアシス

ジョンソン&ジョンソンの2週間交換タイプレンズです。
ジョンソン&ジョンソンのレンズって失礼を承知で言いますけど「可もなく不可もなく」なんですよ。検査現場からすると一番クレームリスクが低いんです。
検査スタッフは若手からベテランまで居ますけど、例えば患者さんに「新しく性能の良いレンズが出たんですけど試してみませんか?」って伺った上でレンズを試すんですけど、それが合わなかった場合に「この間試したレンズ乾いちゃってダメだったよ。今までので問題なかったんだから前のに戻してよ」ってなるんです。これがイマイチ新製品が売れにくい要因だったりするんですけど、ジョンソン&ジョンソンのレンズってクセが無いので合わない確率が少ないんですよね。だから検査スタッフは「なんかジョンソン&ジョンソンのレンズ勧めておけば大丈夫」ってなっちゃうんですよね。
まあこれも良し悪しです。